MODS ENGINEERING

高真空装置のドライポンプ化・クライオレス化改造

表面処理加工会社様 (金属表面処理(PVDコーティング))

  • 真空
  • PVD
  • イオンプレーティング
  • クライオポンプ
  • ドライポンプ

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案件概要

  • お客様:表面処理加工会社様
  • 設備:国内大手メーカー製のPVDコーティング装置(高真空成膜装置)
  • 工事:真空排気系の油回転ポンプ(RP)→ドライポンプ(DRP)化、およびコールドトラップ(CT)不使用モードの追加
  • 担当範囲:ドライポンプ・フィルタの選定・手配、真空排気/加圧ガス/冷却水配管の設計・施工、既設電気回路の調査・改造設計、制御盤ハード改造、PLC・タッチパネルソフトウェア改造、機体配線、現地試運転

背景と課題

工具や金型などに硬質皮膜を成膜する、スパッタリングやイオンプレーティングに代表されるPVD(物理蒸着)コーティング装置。その心臓部は、成膜チャンバを高真空まで排気する真空排気系です。

お客様の既設装置では、粗引き用の油回転ポンプをオイルフリーのドライポンプへ置き換え、あわせて水分排気用コールドトラップを使わない運転モードを追加したい、というご要望でした。油ミストや廃油処理からの解放、冷凍機の稼働削減——メンテナンス性と省エネの両面を狙った改造です。

ただし、既設装置ならではの制約がありました。

  • 制御PLCは横河電機 FA-M3シリーズ:国内では採用例が比較的少ないPLCで、対応できる業者が限られる
  • 操作用PCソフトウェアは改修不可:装置メーカー製の操作インターフェイスには手を入れられないため、画面はそのままに、PLC側の改造だけで新しい機能を成立させる必要がある
  • 真空プロセスの理解が前提:排気シーケンスのどこにどう手を入れるかは、真空装置の動作原理を理解していないと設計できない

対応内容

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真空排気系を理解した改造設計

チャンバの粗引き〜ターボ分子ポンプ(TMP)による本引き、バルブの開閉順序、コールドトラップの役割——真空排気系全体の系統とシーケンスを把握した上で、改造ポイントを3点に整理しました。

  1. RP/DRPの切替制御:切替スイッチでどちらのポンプでも起動できる構成とし、既設RPは回路ごと残置。万一の際はスイッチひとつで従来運転に戻せる、現場に安心な設計です
  2. DRP用バラスト弁(N2パージ)の制御追加:DRPの運転アンサに連動して常時開とし、RP選択時は従来のRP用バラスト弁を制御。ポンプ内部への水分・生成物の滞留を防ぎます
  3. コールドトラップ不使用モードの追加:セレクタスイッチで選択すると、CT関係の制御出力を遮断し、コンプレッサ運転アンサ・温度センサ・警報などの入力判定をスキップ。冷凍機を止めた省エネ運転を可能にしました

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ドライポンプを守る起動シーケンス

ドライポンプは粗引き時の高負荷に弱いため、単純にRPと差し替えるだけでは装置を傷めます。粗引きバルブを開く前に省エネモードへ切替 → 切替遅延タイマ → バルブ開 → 省エネ運転タイマ → 定常運転という段階起動シーケンスをPLCに実装し、手動・自動運転のどちらでも同じ保護が働くようにしました。

「画面は変えられない」制約下のソフト設計

操作用PCソフトウェアのソースコードがなく逆コンパイルが不可のため、新設したDRPの異常は既存の警報枠を活用して通知する設計とし、オペレーターは従来と同じ画面・同じ操作感のまま新しいポンプ構成を運用できます。既設のインターフェイス(PC操作・装置押しボタン)からの手動/自動運転も従来通り成立させました。

横河FA-M3への対応

制御改造の対象は横河電機のFA-M3シリーズ。当社は特定メーカーに依存しない開発体制のため、KEYENCE・三菱電機はもちろん、FA-M3のような採用例の少ないPLCの既設改造にも対応できます。「装置メーカーに頼めない」「対応できる業者が見つからない」という既設装置の改造こそ、お声がけください。

結果

  • 油回転ポンプからドライポンプへの切替運転と、コールドトラップ不使用の省エネ運転を、既設の操作性を一切変えずに実現しました
  • ポンプ・フィルタの選定手配から真空・ガス・冷却水配管の設計施工、盤改造、ソフト改造、機体配線まで、電気と機械をまたぐ改造を一式で対応しました
  • 既設RPを残置した切替構成により、リスクを抑えた段階的な移行を可能にしました

真空プロセスの理解 × マルチベンダーのPLC対応力 × 配管まで含めた一式施工。メーカーサポートが受けにくい既設装置の改造を、当社が引き受けます。

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