プレス部品の表裏判定を原理から共同開発 ― KEYENCE LR-X × IO-Link診断
装置メーカー様+金属加工メーカー様 (金属加工業(パーツフィーダの表裏判定・整列供給))
- 表裏判定
- パーツフィーダ
- IO-Link
- KEYENCE
- LR-X
- NQ-EP4L
- KVシリーズ
- レーザセンサ
- 冷間鍛造

案件概要
- お客様:装置メーカー様(メカ担当)+金属加工メーカー様(冷間鍛造工場)
- プロジェクト:プレス機へ部品を供給するパーツフィーダの改造——部品の表裏を判定して整列させる制御の新設(制御盤ごと更新)
- 構成:KEYENCE KVシリーズPLC+タッチパネル、レーザセンサLR-X100をIO-LinkマスタNQ-EP4L経由でEtherNet/IP接続
- 担当範囲:判定原理の検討(お客様と共同)、センサ選定、制御盤設計・製作、ソフト設計、現地据付・試運転調整
背景と課題
その部品の表と裏は、何で見分けられるのか——。この案件は、仕様書ではなくその問いから始まりました。パーツフィーダで整列してプレス機へ送る冷間鍛造部品は、表裏が逆のまま流れれば不良や金型トラブルに直結します。しかし「表裏を判定せよ」という要件はあっても、判定の原理はまだ誰も持っていませんでした。
- 既設の判定機構では品質要求に応えられず、方式そのものの見直しが必要だった
- 部品のどこに表裏の差が現れるのか、物理量の選定から検討する必要があった
- 判定は「効く/効かない」だけでなく、しきい値を現場で調整できる必要があった
- センサが故障したまま部品を素通しさせる事態は、判定ミスと同じくらい許されない
対応内容
「何で見分けるか」を、お客様と一緒に考える
センサのカタログから入るのではなく、部品の形状のどこに表裏の差が出るのかをお客様と洗い出すところから始めました。行き着いたのは、表と裏で「センサから見える高さ」がわずかに違うという事実。この差をレーザセンサの距離値として捉えれば、表裏は数値ひとつで判定できます。実部品での検証を経て、KEYENCEのレーザセンサLR-X100を採用。要件定義の一歩手前——原理の発明から参画するのが、この案件の仕事でした。

ON/OFFではなく、距離の生値で判定する
LR-X100はIO-LinkマスタNQ-EP4Lを介してKVシリーズPLCにEtherNet/IPで接続。センサ内で完結するON/OFF判定ではなく、距離のアナログ値をそのままPLCに取り込み、しきい値判定をPLC側で行う構成としました。しきい値はタッチパネルから調整でき、部品や治具の変化に現場で追従できます。さらにIO-Linkの真価は診断情報——断線検知・センサエラー・システム状態までPLCで常時監視し、「センサが壊れて、不良が素通り」を仕組みで防ぎます。判定値と健康状態、両方見えて初めて検査は成立します。

盤ごと作り替えて、現地は最短3日
制御は既設盤の改造ではなく、同じ設置位置に収まる新設盤(W400×H500)への置き換えを選択。旧判定機構(電磁弁・レギュレータ)の撤去範囲や工程を確認事項リストでお客様と事前に詰め、現地は盤入替→機体配線→単動試運転→メカ・制御調整を最短3日で完了する段取りを組みました。メカ改造の装置メーカー様と工程を分担し、並走で仕上げています。
結果
- レーザ距離値による表裏判定・整列供給が稼働し、プレス工程への誤供給を仕組みで防止
- しきい値はタッチパネル調整式のため、部品条件の変化にも現場だけで対応可能
- IO-Linkによるセンサ診断で、検査装置自体の故障も見逃さない構成に
- 「原理から一緒に考える」この進め方は、以後の当社の共同開発スタイルの原型に
「何で判定できるか分からないが、なんとかしたい」——仕様書になる前の相談こそ、当社の得意領域です。センサの物理から現地調整まで、一緒に考えるところからお任せください。