植物工場10機種30台の制御一式 ― 共通アーキテクチャ × 3か月一斉立上げ
装置メーカー様 (産業機械製造業(海外向け栽培プラント設備・装置群の制御一式))
- 植物工場
- KVシリーズ
- サーボ制御
- 多言語対応

案件概要
- お客様:装置メーカー様
- プロジェクト:中国向け 冬虫夏草(とうちゅうかそう)栽培プラントの装置群——全10機種・計30台の制御一式
- 構成:各装置にKEYENCE KVシリーズPLC+VTシリーズタッチパネルを搭載。多言語切替対応
- 担当範囲:制御設計(盤図)・制御盤製作・PLC/タッチパネルソフト設計・機体配線・試運転調整——期間約3か月
- 装置内訳:洗浄/パレ・デパレ兼用/培地充填/水充填/キャッパー/デパレタイザ/アンキャッパー/菌掻プレス/パレタイザ/刈穫
背景と課題
装置10機種、30台。持ち時間はおよそ3か月。創業したばかりの当社に来たのは、そういう仕事でした。冬虫夏草という特殊な作物を育てるプラントの、培養容器の洗浄から培地充填、キャッピング、搬送、そして収穫までを担う装置群です。
- 10機種を1台ずつ順番に作る時間はない。設計・製作・ソフト・試運転を機種横断で並行させる必要があった
- 前世代機から方式変更となった装置も多く、流用だけでは済まない
- 海外向けのため、タッチパネルは多言語切替に対応する必要があった
- 盤図・盤製作・ソフト・機体配線まで、電気制御のほぼ全部を当社が受けた——逃げ場のない一貫責任
対応内容
10機種を、1つのアーキテクチャで
30台を力技で書き切ることは、最初から捨てました。デバイス割付と画面仕様を全機種で統一し、動作は「半自動のかたまり」単位でサブルーチン化。当時の設計メモにはこうあります——「自動シーケンスは半自動っぽいかたまりで組んでおいて、サブルーチン化する。全自動はそれを繋げるだけ」。機種が変わっても構造は同じ、同型3台は複製が効く。10機種30台という物量は、コードの量産ではなく、アーキテクチャの展開で受け止める。この方針がすべてでした。

リストが先、ラダーは後
各機種とも、警報リスト・インターロックリスト・I/Oリストを先に固めてからラダーを書く進め方に徹しました。サーボ軸を持つ装置は、ソフトリミット2段構え・オフセット原点・原点復帰方式などの立上げ手順をチェックリスト化して全機種に横展開。タッチパネルには全I/Oのモニタ画面と強制ONモードを標準装備し、配線チェックと試運転の時間を圧縮しました。書く前に決める。決めたらリストで管理する。物量戦の勝ち筋は、手を速く動かすことではなく、迷いを先に潰しておくことです。

盤図から試運転まで、一貫で背負う
制御設計・盤製作・ソフト・機体配線・試運転調整までを一貫で受けたことで、設計変更や現場合わせをすべて自社の内側で吸収できました。図面と実配線とラダーの矛盾を、会社間の伝言ゲームなしにその場で解消できる——一貫対応は、短納期案件でこそ効きます。
結果
- 10機種・計30台の装置制御を、約3か月で試運転調整まで完遂し出荷
- 本案件で確立した「共通アーキテクチャ×機種展開」「リスト駆動」の型は、以後の当社の大規模案件(多系統プラント制御など)の標準に
- そしてもうひとつ——この案件を通じて、着手前の要件定義と確認事項の文書化を、全案件の標準プロセスにしました。仕様の曖昧さを残したまま走り出さない今の当社の仕事の進め方は、この3か月で形になったものです
量に追われる立上げは、最初の設計で決まります。機種数と納期に胃が痛くなるようなプロジェクトこそ、当社にご相談ください。創業のときから、それが当社の主戦場です。