製造ラインの生産データ基盤をオンプレで構築 ― KV-Xシリーズ/KV-8000×PostgreSQL直結
素材メーカー様 (素材製造業(製造ラインの生産データ基盤・PLC-DB連携))
- PostgreSQL
- データベース連携
- Windows Server
- 生産実績収集
- Excel帳票
- KV-X
- KV-8000

案件概要
- お客様:素材メーカー様
- プロジェクト:製造ラインの生産データ基盤(オンプレミスサーバ+PLC-DB連携)の構築
- 構成:KEYENCE KV-Xシリーズ/KV-8000PLC(Ethernet・RDB連携・データ活用ユニット)、Dell PowerEdgeサーバ(Windows Server 2022)+PostgreSQL 15、Windows Server搭載NAS(FTP/Webサーバ)、APC製UPS+ネットワーク管理カード
- 担当範囲:サーバ・NAS・UPSの選定と構築、データベース設計、PLCラダー(DB読み書き・ロギング)、Excel帳票(VBA/ODBC)、構築手順書(完成図書)の作成まで一気通貫
背景と課題
生産データは、PLCの中で眠っています。ラインの実績も品質の記録も、制御の中にはすべてある。けれどそれを日報や管理図に変えるまでの間に、手書きの転記やExcelへの打ち直しが挟まる――多くの現場に共通する風景です。
- 生産実績や品質データを、人手の集計からデータベースへの自動蓄積に切り替えたい
- PLCとDBの間に中継PCと常駐アプリを置く従来構成は、開発費に加えて保守・更新・故障点が増える
- 集めたデータは、管理図・帳票・現場での閲覧まで「使える形」で届けたい
- 停電のたびにサーバやデータベースが壊れるようでは、基盤として本末転倒
対応内容
制御盤の外側まで作る ― オンプレのデータ基盤
データベースサーバにはDell PowerEdge+Windows Server 2022を採用し、PostgreSQL 15を構築。データ領域はOSと別ドライブに分離し、リモート保守やファイアウォールの設定まで含めて立ち上げました。あわせてWindows Server搭載のNASをFTP/Webサーバとして構築し、サーバ2台+PLCが同一ネットワークで役割分担する構成です。制御屋がサーバを構築するメリットは、PLC側の都合とIT側の都合を、ひとりの設計者が両にらみできることにあります。

中継PCを置かない ― ラダーがSQLを話す
PLCとデータベースの連携は、中継PCの常駐アプリで作るのが従来の定石でした。本案件ではKV-Xシリーズ/KV-8000のRDB連携ユニットを使い、PLCのラダーからPostgreSQLへ直接INSERT/SELECTを実行する構成としました。約50カラムの生産実績テーブルへの書込に加え、品種マスタの読出ではWHERE句による条件指定、ORDER BY句による日付降順ソートまでラダー側から発行。書込用と読出用でコネクションを分けて通信負荷も分散しました。中継が減れば、故障点も保守対象も減る。データ連携は、経由地を減らすほど強くなります。

集めたデータを、現場の道具に
蓄積したデータは、出口まで作って初めて価値になります。管理PCのExcelからはODBC経由のVBAで管理図・帳票データを直接読み書き。PLCのデータ活用ユニットが提供するWebダッシュボードからは、実績の書込・マスタの読出をブラウザで操作でき、NAS上のWebサーバに置いたPDF手順書もワンタッチで開けます。さらにPLCのロギングデータ(1秒周期CSV)は、FTPでNASへ自動転送。データベース・帳票・現場閲覧という3つの出口を、ひとつの基盤の上に揃えました。
停電しても、壊れない・消えない
UPSにネットワーク管理カードを増設し、停電時はサーバとNASの2台を連動して自動シャットダウン。ロギングも、書込タイミングの工夫やメディア再挿入時の自動復帰設定で、取りこぼしを抑えています。普段は一度も動かないこの仕組みこそ、データ基盤の信頼性を決めます。普段動かないシステムほど、設計と検証の質が問われます。
結果
- サーバ2台+PLC直結のオンプレ生産データ基盤を構築し、納入。生産実績・品種マスタ・管理図・帳票の4テーブルが稼働
- 構築の全手順を約95ページの完成図書にまとめて納品。「作って終わり」ではなく、お客様側で再現・保守できるドキュメントごとお渡し
- 本案件で確立したPostgreSQL構築・PLC直結の手順は社内ナレッジベースにも整備し、以後のデータ活用案件の土台に
生産データの活用は、サーバだけ作っても、ラダーだけ書いても完成しません。ラダーもSQLもWindows Serverも扱える制御屋として、PLCとITの橋渡しは当社にお任せください。