装置群6台・60,400オブジェクトの画面多言語化 ― KEYENCE VT5 × 翻訳工程設計
装置メーカー様 (産業機械製造業(電子部品製造ライン向け装置・HMI多言語化))
- HMI
- 多言語化
- KV-8000
- VT5
- 翻訳

案件概要
- お客様:装置メーカー様(電子部品製造ライン向け装置)
- プロジェクト:装置群6台分のタッチパネル画面データ多言語化(日本語・英語・中国語の3言語切替対応)
- 体制:当社エンジニア+外部の翻訳・データ編集パートナー(作業手順書・遠隔操作環境を整備して分業)
- 担当範囲:翻訳、画面データ編集、表示検証、お客様との仕様確認まで一括対応
背景と課題
同じ「運転準備」でも、英語と中国語では文字の幅がまるで違います。装置の海外展開に伴いご相談いただいたのは、電子部品製造ライン向け装置群6台分のタッチパネル画面データを3言語切替に対応させるプロジェクトでした。制御はKEYENCE KV-8000シリーズPLC、表示器は同VT5シリーズという構成です。
- 対象は6台分・約1,650画面、多言語化対象のオブジェクトは60,400点。初期見積で900時間規模
- 翻訳後の文字列が表示枠に収まらない、銘板同士が重なるなど、言語ごとの文字サイズ差に起因する表示崩れが大量に発生しうる
- 1オブジェクトあたりの文字数制限など、表示器特有の制約への配慮も必要
- 通常のソフト設計の片手間でこなせる量ではなく、翻訳を含めた体制づくりそのものが課題
対応内容
900時間の作業を、分業できる「工程」に設計する
6万点の編集をエンジニアだけで抱え込めば、コストも納期も成立しません。当社はまず作業手順書と遠隔操作環境を整備し、データ編集を外部の翻訳・データ編集パートナーが均質にこなせる「工程」に落とし込みました。大量の画面修正を"作業"として請けるのではなく、"工程"として設計する。エンジニアは手を動かす作業から離れ、技術課題の解決と検証・検収に集中する体制です。

多言語化は、画面に収まって初めて完成する
多言語化の品質を左右するのは、翻訳そのものよりも「表示」です。同じ意味の言葉でも言語によって文字数・文字幅が大きく異なるため、日本語では収まっていた銘板が英語であふれ、中国語ではバランスが崩れる。60,400点のオブジェクト一つひとつに、3言語すべてで収まる形を与えるオブジェクト成形が、本案件で最も苦心したポイントでした。あわせて、文字数制限の超過・銘板の重なり・翻訳データの欠落といった不具合要因を検査観点として体系化し、工程に組み込みました。

曖昧さを残さない ― 確認事項リストの運用
翻訳には「どちらとも取れる」表現が必ず発生します。当社は確認事項リストを運用し、疑問点をため込まずにお客様と一つずつ解消。仕様の曖昧さを残したまま先へ進まない運用が、6万点規模でも後戻りのない進行につながりました。
結果
- 装置群6台分・60,400オブジェクトの3言語対応を完遂。追加でご依頼いただいた翻訳業務も含めて納品
- 専門外のパートナーでも均質に作業できる手順書・遠隔環境という**「工程設計」の型**を獲得し、以後の大規模・反復案件の土台に
- 現在は通訳・翻訳の協力会社との連携体制へ発展。装置輸出に伴うHMI多言語化を、翻訳からデータ編集・表示検証までワンストップで対応可能に
「画面数が多すぎて手が回らない」「翻訳と画面編集を別々に発注するのが負担」――装置の海外展開に伴うHMI多言語化は、翻訳から画面データまで一括で当社にご相談ください。