パレタイズ前の「最後の関所」― 段ボール印字のOCR検査と品種照合を組み込んだ供給ライン制御
食品メーカー様 (食品製造(箱詰め・出荷工程))
- パレタイザ
- コンベヤ制御
- OCR検査
- KEYENCE IV4
- 品種照合
- エレシリンダ

案件概要
- お客様:食品メーカー様(工場)
- プロジェクト:パレタイザ(自動積付装置)へ製品の段ボールを供給するコンベヤラインの新設制御。印字のOCR検査と品種照合を組み込み、不良・異品種の箱をパレットに載せない仕組みを構築
- 体制:コンベヤ・封函機などの機器手配や盤製作はお客様の内製、パレタイザは装置メーカー所掌。当社は制御設計・PLC/タッチパネルソフトを担当し、追加のご依頼で配線・試運転調整、稼働後のソフト改善まで支援
- 担当範囲:制御盤設計、機器選定補助、PLC・タッチパネルソフト開発、ビジョンセンサ連携、現地試運転調整
背景と課題
箱詰め・封函された製品は、パレタイザで自動的にパレットへ積み付けられ、そのまま出荷されていきます。ここに潜むリスクはシンプルで重大です——印字不良や異品種の箱が1ケースでもパレットに載れば、パレット単位・出荷単位の問題に化ける。
パレタイズは「まとめる」工程。だからこそ、その直前が品質の最後の関所になります。本案件では、新設する供給ラインに次の機能が求められました。
- 段ボール天面の賞味期限などの印字をOCRで自動検査し、かすれ・欠けを検出したい
- 段ボールのコードを照合し、流れてきた箱が今の品種と合っているかを確認したい
- NG検出時は、確実にラインを止めて、NG品をパレタイザに流さないこと
- 下流満杯時の停止や箱の切り出しなど、供給ラインとしての基本制御
対応内容

ライン構成 ― コンパクトに、確実に
封函機を出た段ボールは、インバータ駆動のローラコンベヤ2本で搬送され、ビジョンセンサの検査を通過後、ストッパで整流されながらプッシャでパレタイザ供給位置へ送られます。
- PLC:KEYENCE KV-NC(コンパクトタイプ)+EtherNet/IPユニット+7型タッチパネル。小規模ラインに見合うミニマム構成
- 搬送機構はエレシリンダ:プッシャ(ストローク450mm)とストッパ2台にIAI製エレシリンダを採用。エア配管不要で、ブレーキ付き・バッテリレスアブソ仕様。位置決めの確実さと、コンプレッサに頼らない構成を両立
- センサ4点による在荷・切り出し・下流満杯の監視で、渋滞や追突のない搬送制御
OCR検査と品種照合 ― IV4との役割分担
検査はKEYENCEのビジョンセンサ IV4-600CA(広視野カラー)が担当します。
- 印字のOCR検査:賞味期限などの印字を文字として読み取り、かすれ・欠け・読取不能を検出
- 品種照合:段ボールのコードを読み取り、生産中の品種と一致するかを照合。「良い箱かどうか」に加えて「正しい箱かどうか」まで検査します
- 品種切替はIV4のコントロールパネルで完結させ、PLC/タッチパネルは搬送とインターロックに専念。それぞれの機器が得意なことだけをやる、シンプルで壊れにくい役割分担です

NGを「絶対に流さない」インターロック
NG検出時の動作は、報知と物理遮断の二段構えです。
- 積層信号灯の点灯とブザー鳴動で作業者へ即時報知
- 封函機を停止し、後続の箱の流入を遮断
- ストッパが上昇し、NG品の下流への流動を物理的に阻止
「気づいた人が止める」ではなく「システムが止めてから人が処置する」。パレットに載ってからでは遅い異常を、1ケースの段階で確実に堰き止めます。
お客様の内製力と組む
本案件は当初「制御設計のみ」のご依頼でした。コンベヤや封函機は有給品の活用・お客様手配、盤製作も内製——設備投資を賢く抑える進め方です。当社はその前提で設計をまとめ、その後のご依頼に応じて配線・試運転調整、稼働後の運用に合わせたソフト改善まで段階的に支援しました。全部を丸投げしなくていい。足りないところだけ、専門家を使う——そんな付き合い方ができるのも当社の特徴です。
結果
- 印字不良・異品種の箱をパレタイズ前に自動検出し、確実に堰き止めるラインが稼働しました。出荷品質のリスクを「パレット単位」から「1ケース単位」に封じ込めています
- 品種切替はビジョンセンサ側で完結するため、段取り替えの操作もシンプルです
- お客様の内製と当社の設計・ソフトを組み合わせ、コストを抑えながら必要な品質保証を実現しました
検査で「見つける」だけでなく、搬送制御で「流さない」ところまで作り込んでこそ、出荷品質は守られます。箱詰め・出荷工程のポカヨケ、パレタイザまわりの制御は、当社にご相談ください。