AMR受取コンベヤラインの制御 ― PLCのラダーと、ラズパイ×Node-REDのAMRロジックを両方書く
食品メーカー様 (食品製造(工場内物流の自動化))
- AMR
- コンベヤ制御
- Node-RED
- Raspberry Pi
- KEYENCE KV-8000

案件概要
- お客様:食品メーカー様(工場)
- プロジェクト:AMR(自律走行搬送ロボット)導入に伴う、AMRへ荷を受け渡すコンベヤラインの新設制御
- 担当範囲:制御盤設計・製作、コンベヤ・ストッパ・プッシャのPLCソフト開発、タッチパネル作画、AMR側入出力ロジック(Node-RED)の構築、現地試運転
背景と課題
工場内の搬送をAMRで自動化するプロジェクト。人が台車で運んでいた箱を、コンベヤラインの末端でAMRが受け取って走り出す——その「受け渡し」を成立させるラインの制御一式が当社の担当です。
ライン側は、当社にとって定石通りの構成です。ローラコンベヤ、モータローラ、インバータ駆動コンベヤ、電動ストッパ2台、電動シリンダによるプッシャ。行先2方向への振り分けを含むシーケンスで、正直に言えばここは苦労のないパートでした。
本当の山は、AMR側にありました。
- AMRの外部入出力は、Raspberry Pi+GPIO拡張基板(HAT)。FA機器のような端子台とパラメータ設定ではなく、シングルボードコンピュータのGPIOそのもの
- 制御ロジックはNode-REDで構築。ラダーでもSTでもなく、ブラウザ上でノードを繋ぐフロー型のプログラミング環境
- そして、新しい製品ジャンルゆえに技術ドキュメントが限られている。FAの世界の「マニュアル通りに繋げば動く」は通用せず、実機検証で仕様をひとつずつ確かめる必要がありました
対応内容

ライン側 ― 確実に動く、定石のPLC制御
コンベヤラインはKEYENCE KV-8000+7型タッチパネルで制御。在荷センサ5点による荷の追跡、電動ストッパでの停止位置決め、プッシャでの振り分け、行先2方向(次工程/AMR受取)の運転指令を、堅実なシーケンスとして実装しました。非常停止2箇所を含む安全回路、各機器の過負荷・アラーム監視も一通り装備しています。
AMR側 ― ドキュメントの薄い機器を、検証で動かし切る
AMRとコンベヤの受け渡しは、「到着→在荷確認→払い出し→移載完了→発進」のハンドシェイクで成立します。この信号のやり取りを、AMR側はNode-REDのフローとして実装しました。
- Raspberry PiのGPIO(HAT経由)の入出力仕様——論理極性、駆動能力、内部の信号の流れ——を、限られた資料と実機検証で一つずつ確認
- 検証で確かめた挙動をもとに、到着通知・払出要求・完了応答のフローをNode-REDで構築。PLC側のラダーと突き合わせながらタイミングを調整
- 現場でフローを画面上で追える点はNode-REDの利点で、試運転時のデバッグはむしろスムーズでした
ラダーが読めるだけでも、Node-REDが書けるだけでも、この受け渡しは完成しません。FAの流儀とITの流儀、両方の言葉で設計・デバッグできることが、本案件の成立条件でした。

結果
- コンベヤラインからAMRへの荷の受け渡しを自動化し、人手の台車搬送を置き換えました
- ライン制御(PLC)とロボット側ロジック(Node-RED)を一社で実装したことで、受け渡しタイミングの調整・トラブルシュートを迷いなく完結できました
- ドキュメントが限られた新しい機器でも、実機検証ベースで確実に立ち上げられることを実証した案件になりました
AMRやIoT機器など、「FAの常識が通じない新しい機器」と既設設備をつなぐ仕事が増えています。ラダーもNode-REDもPythonも書ける制御屋として、新旧の橋渡しは当社にお任せください。