MODS ENGINEERING

水素エネルギー設備の計装盤製作 ― ESP32マイコンとのModbus通信、PLCからの警報メール送信

プラントエンジニアリング会社様 (水素エネルギー(水電解・燃料電池設備))

  • 水素エネルギー
  • 燃料電池
  • Mudbus RTU
  • ESP32
  • KV-8000
  • PLCメール
  • 遠隔監視

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案件概要

  • お客様:プラントエンジニアリング会社様
  • 設備:水電解装置(水素製造)・水素タンク・燃料電池で構成される水素エネルギー設備
  • 製作物:設備全体を監視・制御する計装盤(壁掛け型)
  • 担当範囲:計装盤の設計・製作、PLC・タッチパネルソフトウェア開発、装置側マイコンとの通信インターフェイス設計、現地調整

背景と課題

水を電気分解して水素を作り、タンクに貯め、必要なときに燃料電池で電気に戻す——再生可能エネルギー時代の水素利用設備です。この設備の「頭脳」となる計装盤の製作をご依頼いただきました。

設備を構成する機器は、メーカーも通信方式もバラバラでした。

  • 水電解装置:PLCリンク通信で警報・状態を取り込み
  • 燃料電池:接点入出力(DIO)とアナログ信号で運転指令・状態監視
  • タンク圧力計:4-20mAのアナログ入力
  • 装置側コントローラESP32マイコン。FA機器ではなく、組込みマイコンとの通信連携が必要
  • さらに、無人運転が前提のため異常を離れた場所へ知らせる仕組みも必須

この「異種混合」を一面の盤で束ねるのが、今回の計装盤の役割です。

対応内容

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ESP32マイコンとのModbus通信 ― 組込みとFAの橋渡し

本案件の特徴は、装置側のコントローラがESP32(組込み用マイコン)だったことです。FA機器同士なら定番の接続手順がありますが、相手がマイコンとなると、通信仕様のすり合わせは「組込み開発の言葉」と「FAの言葉」の両方が分かる必要があります。

当社はプロトコルに**Modbus RTU(RS485・2線式)**を採用し、**ESP32側をクライアント(マスタ)、計装盤PLC(KEYENCE KV-8000)をサーバ(スレーブ)**とする構成を設計しました。ノイズの多い設備環境でも堅牢な、シリアルベースの定番構成です。PLC側にレジスタマップを定義して公開し、マイコン側はそれを読み書きするだけ——組込み側のライブラリ資産をそのまま活かせる、双方に無理のない役割分担です。マイコン開発にも日常的に触れている当社だからこそ、レジスタ割付から通信テストまでスムーズに進められました。

PLCからの警報メール送信 ― SCADAを建てない遠隔監視

無人設備の異常通知に、監視サーバやSCADAを新設するのは大げさ。そこでPLCから直接、警報メールを送信する構成としました。

  • CPUエラー・通信異常・水電解装置の重故障/軽故障・燃料電池警報・圧力センサ断線など、体系化した警報の発生時と復旧時にそれぞれメールを自動送信
  • 本文には発生時刻・警報番号・警報名称を記載し、受信メールだけで一次切り分けが可能
  • タッチパネルにはリアルタイム警報と履歴を表示し、警報ごとに対処ガイド(当社連絡・メーカー連絡・機側確認)を明記

サーバレスなので導入コストは最小限。「まず異常に気づける」体制を、計装盤単体で完結させました。

そしてもうひとつ、実装面の重要なポイントがあります。PLCのメール送信機能自体は古くからありますが、暗号化(SSL/TLS)に非対応のものが多く、暗号化接続が必須となった昨今のメールサーバには接続できないケースが増えています。本案件ではKEYENCEのデータ活用ユニットKV-XD02を採用。SSL/TLS暗号化に対応したSMTP通信が可能なため、現在の一般的なメールサーバの要件をそのまま満たせます。メール送信処理は同ユニットのフロープログラム機能で実装し、警報の発生・復旧に連動した送信ロジックを見通しよく構築しました。

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水素設備ならではの監視・制御機能

  • タンク残量演算:タンク圧力・本数・容量の設定から水素残量を演算し、%とm³の2通りで管理。タッチパネルにアナログメータ表示
  • 圧力インターロック:管内圧力が規定値以下では燃料電池を起動させず、運転中の圧力低下でも停止。復帰にはヒステリシスを設け、境界圧力でのハンチングを防止
  • 週間スケジュール運転:曜日×時刻の28本のスケジュールタイマで、燃料電池の自動発停を計画運転
  • 運用に寄り添う設定:軽故障を無視して運転継続する設定、ブザー音量調整、タッチパネルからの時刻調整など、現場運用の細かな要望を実装

結果

  • メーカーも通信方式も異なる機器群(PLCリンク・DIO/AI・4-20mA・Modbus RTU)を一面の計装盤に統合し、設備全体の監視・制御・自動運転を実現しました
  • ESP32マイコンとのModbus連携により、装置側の組込みソフト資産を活かしたまま計装システムと接続できました
  • 警報メールによるサーバレスの遠隔監視で、無人運転の安心を低コストで確保しました

FA機器も、組込みマイコンも、メールやネットワークも。領域を横断して「ちょうどいい統合」を設計できるのが当社の強みです。水素をはじめとする新エネルギー設備の計装も、お任せください。

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